
画質に関しては後ほど解説しますが、2Kや4Kはあまり意味がありません。
というよりも、透明度がものすごく高い環境じゃない限りどんなに高解像度なカメラでも濁った状態がきれいに写るだけです。
つまり濁ったあまりきれいじゃない風景がきれい高精細に写る。(変な表現だなぁ・・・)
空中と違って高解像度の恩恵はほとんどありません。水の濁りを高精細で見たい訳じゃないですし・・・。
とはいえ、そこそこの画質は必要になりますので、今私が使っているいくつかのカメラの紹介と、画質比較、それとカメラ考をしていきたいと思います。ですが、この手の小さなカメラで画質を求めるのはそもそも無理です。安いハンディカムより高画質にはなりませんよ(´Д`;)
当たり前ですがアクションカムは広角で使用する前提で作られています。利点は小ささとパンフォーカスの超広角レンズだけです。
GoProの四角いケースも空気抵抗や水の抵抗がある場合不利になるのは言うまでもありません。前面面積の小さなソニーのアクションカムのような形状がよい気がします。では何故ソニーを使わないか・・・。水中用にはレンズ前には大きな四角い水中用レンズ板を付けるんですよ。つまり水中用アタッチメント。これを付けないで球面レンズをそのまま水中に入れるとピントが合わなくなります。つまり、これならGoProでも同じこととなります。・・・ならGoProでいいんじゃないかと言う話になり、でも水の抵抗が・・・で最初に戻ります。ソニーさんどうにかしてくれないかなぁ・・・これがネックなんだけど。ただ、ソニーのアクションカムもオフセットして傾けると余計舵として影響しちゃうので何とも・・・。水中では円形に近い涙滴型や葉巻型が一番いいと思うんですけどね。完全な球形は逆に微妙に水流でぶれるので案外適していません。色々な要件を考えて最適な形状はと言うと実は結構難しいんですよ。
リアルタイムで見たい・・・と思ってボートにワイヤレスカメラとアクションカメラを付けてみましたが、これが問題あり。
比較的安価な許可がいらない車用のワイヤレス伝送とバックモニターカメラを使ってみましたが、水上用の2.4G送信機と周波数がかぶって、映像がブレまくり、仕方なくボートの方の周波数を27Mhzに変更しました。だいたい20m〜30m近くは届くのでどうにか実用にはなりますが、あくまでモニターとして使用します。撮影は水中のモニターカメラの横にアクションカメラを付けて同時撮影しています。伝送された動画を保存してもコストと手間がかかるだけできれいに映せません。なら最初からアクションカムを使って走らせて現場でタブレットで映像確認、の方がハッキリ写っていてよい気もしてきました。
ion the action (販売終了モデル)
小型、しかも唯一の+浮力。画質は720なので他から比べると少々落ちますが、実用的にはあまり問題ありません。水の抵抗が小さいので約50cmの1/500のヤマトにもどうにか搭載できる大きさです。マウントを改造して三脚穴を付け重りを入れてほぼ中性浮力にしてあります。WiFiなどの機能が無くとてもシンプルで撮影時間も2時間以上可能なので販売終了してしまったのが惜しいです。このサイズのまま高解像度にして欲しかったです。唯一水に浮くカメラなのに残念です。
ion AIR wifi
iON The Actionの後継機で買ってみたのですが、これは明らかに失敗でした。レンズが球面になっていて水中に入れるとピントが合いません。他のことは許せてもこれはもう致命的です。空中画像がきれいなので惜しいですが、水中では使用していません。ボートの水上部をカバーするカメラに使っています。他のカメラに言えますが、レンズ前の球面は水中用としては不向きです。AIRですからね、仕方ないかと・・・。本体が重くて浮力材無しでは水中では使えません。
GEENEE AC-01
基本的にiON AIRの中身を使っているようです。レンズ前が平面なので水中でもきちんとピントが合います。1080と720で画角が違いますがなぜか1080の方が720より画角が狭い・・??という仕様なのですが、水中搭載用にはその方が好都合となります。安くてケース不要でそのまま水中に入れられるのでかなりお気に入りです。惜しむらくはマイナス浮力なので浮力材を足して中性浮力にする必要があります。上下逆に付けても自動的に修正してくれる機能は搭載時に便利です。写真上部の黒い固まりは発泡の浮力材を追加したもの。現在主力で使用中です。
Victor GC-XA1
ある特定下以外ではとても良いカメラだと思います。ケース不要で水中に入れられるのですが、重いので浮力材を付けるとそれなりの大きさになりちょっと残念。ある特定下というのは水銀灯のことで、水銀灯照明だとフリッカーがでて使えません。しかも他と違い調整する手段もありません。以前持っていたビクターのPICSIOも同じだったので設計で考えていないのかも。屋外プールの水中用として使用しています。小さくてもモニターが付いているのはフレームあわせに便利です。側面の黒い固まりは発泡の浮力材。
PANASONIC WA-10 後景モデルあり
水中搭載ではなく水上から手を入れて走行モデルをスナップしたり三脚に付けて沈めて撮影したりと何かと重宝するカメラです。写真のようにモニターが上に向けて回転できるので水中でも被写体を上から確認しながら撮影可能です。水上から手を入れて撮影するにはこの機能は重要です。パナソニックのアーム付きアクションカメラもありますが、レンズ性能や機能でこちらの方がお勧めです。冬場は少々手が冷たいですけどね。現在後継機が販売されています。当然アクションカムより高画質ですがこれを搭載するには大型艦が必要です。
その他
あとはその時々で小型のトイカメラ用のケースを作ったりしています。小型モデルだとそう言う創意工夫も必要ですし、意外な映像が撮れて楽しいです。画質云々には換えられない物というのもありますよ。基本的にケースなしで使えるモデルを使いますが、さらに小さく作れるという事で小型のトイカメラ流用というのも中々楽しいです。
SFYDD水物外伝
水中カメラ比較テスト
やっぱりみんな違う。
露出的にはビクターが一番ニュートラルだと思います。ただし、水銀灯下なのでフリッカーバリバリで・・・orzです。
Ion AirとGEENEEはやはり同じような中身の回路を使っていそうです。トーンや露出など同じような感じになっています。ですが。1080同士でもiON Airの方が画角がワイドになっています。といっても、ピントが合っていないので論外ですが。
iON the Actionはメリハリがある明るめになっていていいのですが、さすがに設計が古いせいなのか画質的には一段落ちます。しかも露出コントロールが荒く段付きになるのは少々残念です。
この手のカメラの新機種は定期的にチェックして調べていますが、今のところこれだ!というのは無いです。追加で新機種導入したら再度テストしてみようと思います。
私的には、この手のカメラは撮影してから後加工で露出や色相のコントロール、ブレ補正などが必要だと思うので、どれでも大差ないと思うのですが、それだと比較する意味がないので、最後にいくつかの重要な要件をまとめてみようと思います。
最重要なのは本体内に水が漏れない、これにつきます。壊れたら元も子もありません。これが基本です。また、ハウジング不要のメリットは蓋のゆるみによる漏水やハウジング内が湿気で曇ったりしないことです。
搭載カメラの画角は120度前後が使いやすいです。空撮と違って、水中の場合には遠くまで見通せないので船体が映り込んで回りがどうなっているかわかる程度で良いと思います。画角が広いと船体が小さく歪曲して妙な形になり、何もない空間だけが広がるといった感じになることもあります。そうなるとなんだかわからなくて面白くない映像になってしまいます。
スペックの高画質を求めても水中の透明度次第になるので、最低限720クラスの画質を維持しつつ、搭載しやすい、操作が簡単、と言うことを考えた方がよいでしょう。現場での簡単操作も重要な要素です。
そして、なるべく工夫をして搭載方法を考えて色々な位置に搭載出来るようにしましょう。映画のワンシーンのような船体を斜め下から映してみたりするといい雰囲気になると思います。後は創意工夫で頑張ってみましょう。
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