宇宙戦艦ヤマト2199水中撮影用特撮カメラマウント

Tech Notes SFYDD水物外伝5
宇宙戦艦ヤマト2199水中撮影用特撮カメラマウント


 特撮用アクションカメラマウント。

 走行するヤマトに装着して撮影するためのマウントシリーズ。
 1/350のヤマトに使用していたものと、新たに制作して追加
 したマウント。第3艦橋はディスプレイ/走行用と、撮影用の
 2種類を用意しています。艦橋部を外してマウント自体をネジ
 止めして固定します。
1/350のヤマトで私は水中撮影の面白さに目覚めたと言ってもよいかもしれません、。 小型のアクションカメラがまだ登場し始めたところなので、アクションカメラはGoProとその他はたいした性能がないカメラしかない状況なので、自作ケースを作ったりして撮影していました。ですが、ここ1-2年ほどでよいカメラがどんどん登場してきました。(私が使用しているカメラはこちらでレビューしています。)

そうなると、適したカメラの要件はあるにせよ次に考えるのはカメラをどう搭載するかと言うことになります。映像としてみれば、映画のように色々なアングルを撮影できる方がよいのですが、このヤマトの形状は突起が多いのでベルトで簡単に搭載すると言うことは出来ません。そこで1/350ヤマトの時に様々なクリップ式のアタッチメントを使って色々な角度に搭載して撮影していました。

今度の2199ヤマトは1/350より小型のため、同じアタッチメントを使い回すことが出来ないため、新たな搭載方法を考える必要が出てきました。しかも船体が一回り小さく、外部抵抗があると操縦性に影響が大きくなります。そこで、新しい方法を考える必要がありました。今回は1/350の時と違い、あらかじめある程度撮影に使うことを前提に作ってきましたので、第3艦橋にカメラ搭載用の機構を装備しました。

CGを使ってしまえばどんなことでも可能になるのですけれども、それでは面白くありません。私のヤマトやエンタープライズなどのPV系でも極力CGやイフェクトを使わずに表現しています。実写というのは時として、CGより面白い自然の効果があるときがあります。もっとも、CGの効果というのが基本的には物理シミュレーションだったりするので擬似的な物ではあるのですが、疑似を超えた本物の効果が面白かったりするわけです(´Д`;)簡単に言うと、想像を超えた本物の面白さなんですよ。それがアナログ特撮の醍醐味だと思います。

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 撮影用第3艦橋の分離。外した後にマウントをネジ止めします。
撮影用の第3艦橋(ちょこっと解説)

船体に穴を開けてマウントを固定したりするのはさすがに抵抗があります。この2199ヤマトは外装に一切のネジが見えないように苦労して強度を保つ方法を考えたのに、撮影用に固定穴を開けたらその努力が無駄になります。そこで、船体中央部に近い第3艦橋自体を取り外してそこにネジ止めできる搭載機構を作りました。第3艦橋と支柱がセットになり支柱毎交換です。(制作時には想定していなかったので、すでに第3艦橋と支柱は接着されていたので、新規に作りました。)

撮影時には、ディスプレイ/走行用の第3艦橋を撮影用の第3艦橋に付け替えてカメラを搭載します。カメラマウントを付けるときには第3艦橋が映らないアングルになるので問題ありません。艦艇部を撮影するのには1/350から引き継いだクリップ式のマウントを噴射口にある羽に取り付けます。撮影用の第3艦橋は支柱部と共に無塗装なのでディスプレイ用とは見た目が異なります。

後の編集のためにとにかくマルチアングル映像がほしい!。
映像作品として、アングルが変わらないと退屈になります。そして、実写の面白さとしては光の加減で見え方が大きく変わるところに面白さがあります。単調になる回りの風景も光の具合でよい背景にもなります。そこで、色々なアングルで撮影できるマウントが欲しくなって作ったのがこの特撮マウントです。小型の艦で外部に抵抗物があるとそれだけでも操縦性が極端に悪くなります。ですから様々な場所に付ける前提でも、実際に付けて操縦できるか確認してマウント位置を設定しています。何所でも付ければいいという物ではありません。場所によっては旋回しなくなったり、潜らなくなったり、機動が不安定になったりするので、そのあたりも考慮する必要がありました。私が人気が高いGoProを使わない一番の理由がそれです。カメラケース自体の水中抵抗が大きくて中型、小型艦に複数搭載するのは難しいからです。

ノーマルマウント 左右2台搭載

第3艦橋を外して代わりに取り付けるアルミ板のマウントです。左右に同じカメラをマウントすることで水の抵抗とバランスをとることが出来、片方だけにカメラを設置するのに比べて操縦性への影響を少なくすることが出来ます。さらに一度に前後両方とも撮影できるので撮影時間の短縮になります。上下位置は14段階のネジ位置で調整可能になっています。

ワイドマウント 左右2台搭載

第3艦橋を外して代わりに取り付けるアルミのマウントのタイプ2。アングルを変えて、搭載カメラと言うより外部からの撮影カメラ風に撮影できるマウントです。さらに下方位置にカメラをマウントでき、下からの船体を見上げるような雰囲気の撮影も可能になります。ネジ位置での調整は7段階+ローアングル2段階になります。

甲板マウント

艦橋を正面から映す為のマウントとなります。艦橋の水面付近での挙動を記録します。水面ぎりぎりの走行シーンや、逆光撮影での幻影的な雰囲気を撮影する為のマウントとなります。固定はマウント自体をマジックテープベルトで固定します。カメラのクリップマウント製品を流用しているのでアングルの微調整が可能になります。発泡材を追加してカメラと合わせてほぼ中性浮力になるようにしています。カメラを前に向けると船体映り込み無しの主観映像の撮影が可能です。

艦橋クリップマウント

艦橋から艦首方向を見る主観映像撮影用のマウントです。艦首方向の水底方向を映すため船体の移動感を撮影できます。クリップで挟むだけなので、外れ止めとしてマジックテープベルトで固定します。

リアマウント

後方下方から第3艦橋を含めた船体を映すためのマウントです。羽に止める位置を変えると後方から船体上部方向の撮影も可能です。2枚の羽で止めるため、位置によって3つのアングル撮影が可能になります。

その他 トイカメラケースなど

あとはその時々で小型のトイカメラ用のケースを作ったりしています。小型モデルだとアクションカメラでも大きくて搭載できない場合があります。そう言う創意工夫も必要で画質云々には換えられないことというのもありますよ。搭載して撮影出来なきゃ意味がないですからね。

特撮カメラマウントテスト
ノーマルマントと艦橋クリップマウントをテストしてみました。この時はヤマト自体の水中バランス調整が済んでいなかったので不安定な挙動になりましたが、そのあたりも調整していくのが水中モデルの面白さの一つです。

SFYDD水物外伝

特撮マウントテスト

前方カメラで主観的な映像を、艦橋カメラで移動視点を、後方カメラで移動空間の広さを表現できます。今まではカメラを一台ずつ付けて撮影していましたが、今回のマウントで一度に最大3台まで付けて撮影できるようになりました。

 

C-Dockとの連携。
水中ラジコンの面白さは水中機動の楽しさや、SFモデルが本当に動くところです。ですが、水中というのは気楽に撮影できる環境ではありません。以前の1/350ヤマトの走行シーンでは前からや後ろから撮影しているシーンがありますが、あれは同時に走行させているRCボートから撮影したものです。ですが、RCボート自体の操縦性にやや不満があったので撮影に特化したC−Dockという水上メカを作りました。大型で安定した半潜水フロートで揺れが少なく、強力なスラスタで細かな操縦性を確保してあります。今後はこのC−Dockとの連携して新しい映像シーンを作っていきます。C-Dock解説はこちら>>>

一般に水中モデルの映像はあまり多くありません。潜水艦にカメラを付けてみたという映像自体もあまり多くありません。

私の水の中への興味は2つあります。

一つはそこに一体どんな風景があるんだろう、と言うこと。
もう一つは自分の好きなSFモデルが本当に走行しているシーンを見たいと言うこと。

ですから、色々な場所で、色々なシーンを作り出すと言うことにこれからも少しづつ挑戦していきたいと思います。

撮りきりアップというのは私の信条に反しますので、時間はかかりますがゆっくり映像作品として作っていければと思っています。

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